2016年06月27日

コウノトリ市民交流会に参加して


去る25・26日の両日、兵庫県豊岡市で開かれた「コウノトリ市民交流会」に参加してきました。
この交流会は全国に飛来しているコウノトリをそれぞれの地域で見守っている市民が集まり
喜びや悩みを話し合おうとコウノトリ湿地ネットが開いたものです。
韓国を含め全国からあわせて85人のコウノトリファンが集まりました。
会場は豊岡市但東町の「シルク温泉やまびこ」です。
この温泉の前の水田には毎年絵柄を変えて描かれるコウノトリが羽ばたいていました。
交流会一日目はまず兵庫県立コウノトリの郷公園の山岸哲園長が
「管・民・学でコウノトリの野生復帰を!」と題して基調講演を行いました。
そのあと韓国や和歌山を含むあわせて8地区の飛来地から報告がありました。
私はJ0057についてこの3年9ヶ月の和歌山での様子を報告しました。
韓国からは対馬を経由して大陸へ渡ったJ0051のことが報告されました。
このJ0051は現在は豊岡市に帰ってきていますが、
後で出会えるとはこの時は思ってもみませんでした。
飛来地の皆さんはどこもひと目でコウノトリファンになった方ばかりで
それぞれ熱い思いを話していらっしゃいました。
翌日は数台のマイクロバスに分乗して豊岡市内のコウノトリ生息地を巡りました。
土地勘のない私達には至る所に巣塔があり、コウノトリがいるという感覚になります。
巣立ったばかりの幼鳥もたくさん見られましたが、
湿地ネットの拠点、戸島湿地に着いた時は圧巻でした。
車を降りた私たちの上空に何と10羽のコウノトリが飛来してきました。
毎日観ている湿地の人たちにとっても珍しいということで興奮しながら空を見上げていましたが、
この中に「和歌山コウちゃん」J0057が居たかどうかはわかりません。
このあと地域あげて取り組んでいる「コウノトリ育む農法」の水田や「水田ビオトープ」を見学し、
交流会でのスケジュールは終了しました。
そして午後からは湿地ネットの宮村さんのご案内で「和歌山コウちゃん」捜索に出かけました。
宮村さんは的確にJ0057の立ち寄り場所に案内してくれますが
いるのは別の個体でした。
そんな中、出石町長砂の出石川浅瀬であのJ0051に出会えました。
日本と大陸とを何度も往復しているとは思えないほどやさしい雰囲気のコウノトリです。
感激しながらあと数ヶ所の立ち寄り地域を周りましたがそれぞれ別の個体がいるだけでした。
すべて「和歌山コウちゃん」に見えてくるのには困りました。
そして時間的には最後になる、これまで何度も目撃されている野上のコウノトリ保護増殖センターに周りました。
そこで飼育員の方から「午前中に見たよ」との情報が。
やはり居たんですね。
会えなかった寂しさを噛み締めながらセンターを出ると巣塔側の畦道に
巣立ったばかりの幼鳥が私たちを見送ってくれていました。
濃密な「コウノトリ三昧」の2日間でした。

山岸哲コウノトリの郷公園長の基調講演


韓国でのJ0051のことを報告する第一発見者で名付け親のト・ヨン和尚





ハチゴロウの戸島湿地





「和歌山コウちゃん」J0057か???


福田巣塔 「クミちゃん」か?


トンボがそっと止まりました。




J0051「ポン・スニ」


ここにも・・・コウノトリ

ここにも・・・コウノトリ




コウノトリの郷公園内



最後まで「和歌山コウちゃん」ではないかと思っていた


野上コウノトリ保護増殖センター。奥のケージの上にJ0057がよく止まっているのを目撃されている。


野上コウノトリ保護増殖センター前の幼鳥
  

Posted by wakayamastork2 at 20:02コウノトリ